ボルクレイ・ベントナイトの物性鋳造

ボルクレイ・ベントナイトの物性PHYSICAL PROPERTIES

米国ワイオミング産 鋳造用天然ナトリウム型ベントナイト

ボルクレイ・ベントナイトは

  • 水中での元の体積の十数倍に膨らむ膨潤性
  • 水和で発揮する粘結性
  • 水中に分散させることにより溶液に粘性を付与する増粘性
  • 異種の陽イオンを含む溶液との接触で自身の陽イオンとの交換を行う陽イオン交換性
  • 層状の微小結晶のもつ無数の反応面で他の物質と結合をもつ吸着能

など、特異な性質をもつ粘土鉱物です。
これらの性質は、ベントナイトの主成分である鉱物「モンモリロナイト」に由来しています。

ボルクレイ・ベントナイトの物性詳細

一般的性質

密度 2.7
pH 8.5~10.5
モース硬度 1.0~1.5(滑石よりわずかに硬い)

製品中の水分

ボルクレイ・ベントナイトは、主として結晶層間に8~10%程度の水分を保持しています。
水分は、取扱い時の飛散を抑え、クッションとして結晶格子を損傷から守るようにも機能しています。

化学成分

ボルクレイ・ベントナイトの化学成分(重量%)は、ほぼ次のとおりです。

SiO2 57.0~62.0
Al2O3 18.0~21.0
Fe2O3.FeO 2.8~3.5
MgO 2.3~3.2
Na2O 2.1~2.7
CaO 0.7~1.2
K2O 0.4~0.6
結晶水 8.0~10.0

粒子の表面積

ボルクレイ・ベントナイトの最小単位である結晶は、厚さ約1nm(ナノメートル=10-9m)の極めて薄い片状で、比表面積は約800㎡/gにもなります。

膨潤性

ボルクレイ・ベントナイトは、水を飽和状態まで吸収すると最初の体積の12~15倍の体積になりますが、乾燥すると元の体積に戻ります。
また、有機溶液中ではほとんど膨潤せず、酸やアルカリ、高濃度塩分溶液中での膨潤性も抑制されます。

粘性

自身の15~20重量倍の水中においては、ボルクレイ・ベントナイトはコロイド粒子となり、流動性のあるゲルを形成しますが、静置しておくと、ゼラチン状のゲルに変容します。
これは、常態では積層構造であるボルクレイ・ベントナイトの結晶が単位分解し、徐々に層平面~層側面結合による網目構造(カードハウス構造)化して流動性を失うためです。
このゲルは揺すったり、かく拌することで元の流動性のある状態に戻ります。
この性質をチキソトロピーと言います。

凝集性

ボルクレイ・ベントナイトの粒子は、水中で負電荷を帯びており、正電荷をもつ他の物質粒子が並存する場合には、吸着し凝集します。
希薄な懸濁液中で、浮力を失うまで大型化した凝集物は沈殿します。

温度の影響

400℃までにおけるボルクレイ・ベントナイトの性質の変化は軽微です。
さらに高い温度において段階的に膨潤性や陽イオン交換容量などが低下していき、700℃近辺で結晶水を失うと、膨潤性などの性質は失われます。
800℃以上になりますと、高温生成相により高い粘性状態となり、1,300℃で溶融状態となります。

鋳造部担当

栗田 毅

鋳造部 担当部長

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