鋳造
生型用粘結剤としてVOLCLAY BENTONITE AS A BINDER
概要と特長
ボルクレイ・ベントナイトは他のベントナイトに比べ熱減耗が少ないため、補充添加量が少なくてすむなど、生型用粘結剤として非常に優れた特性があります。
1. 補充添加量が少なくて済む
ボルクレイ・ベントナイトは他のベントナイトに比べ熱減耗が少なく、注湯後の回収砂中には物性を失わない部分がより多く残存します。
そのため、活性粘土分維持のための補充添加量が少なくて済みます。
その結果、鋳物砂中の微粉の蓄積やオーリティック分の発生が少なくなり
- 混練水分の低減
- 鋳型の充填性の向上
- 鋳物製品の寸法精度の改善
- 鋳肌の改善
に役立ちます。
2. 耐スクワレ・シボラレ性が高い
ボルクレイ・ベントナイトは800℃以上の高温度域において軟化し、鋳型骨材の膨張を吸収するよう機能します。
耐スクワレ・シボラレ性が高く、クッション効果をもつ二次粘結剤の添加量が低減できます。
3. トバサレ・アラワレを防止し高精度
ボルクレイ・ベントナイトは高温相の生成により、900℃において最高の強度になります。
注湯流の侵食から鋳型を守り、また鋳型壁移動を最小にします。
その結果、トバサレ・アラワレを防止し、鋳物製品の寸法精度を維持します。
4. 鋳型表面の安定性が高い
ボルクレイ・ベントナイトにとりこまれる混練水分の定位置は、無数に積層する層状結晶の間隙です。
そのため、時間経過による放出が遅く、保湿持続性を通じて鋳型表面の安定性が維持されます。
回収砂への散水や混練前の長時間保管、いわゆるネカセによりこの特性は一層引き出しやすくなります。
5. 累加混練性による充分な粘結力
ボルクレイ・ベントナイトと新砂による短時間の混練では、ときとして充分な粘結力が発揮されないことがあります。
層間の全てが水和するのに、時間と、せん断力などのエネルギーを必要とするからです。
しかし、鋳物砂の循環を通じて、何度も混練工程を経る通常の生型ライン環境では累加混練性が発揮されるため、問題になることはありません。
累加混練による強度の伸び(新砂とベントナイトによる混練)
ボルクレイ・ベントナイトによる混練砂は、くりかえし10回の累加混練を経て、1回目の約2倍の強度になります。
Na活性化ベントナイトでは、早期に高強度が得られますが、5回目の累加混練で、その強度は逆転します。
6. 造型圧力不足や模型の難充填部問題を補助
ボルクレイ・ベントナイトによる鋳物砂は加圧後の充填密度が高く、鋳物製品の寸法精度を改善します。
また、造型圧力不足や模型の難充填部問題の補助的機能にもなります。